そのじつ

ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZORのそのじつのレビュー・感想・評価

4.0
これ好きだ。
目まぐるしい場面コラージュとか早回しとか今風の画面処理か多用されているけど、映っているものは土臭く前時代的な雰囲気でそれが心地よく感じる。沈んだトーンの色調も。

「魔界探偵ゴーゴリ」のテイストに通じる。ロシアっぽさ?
武器で殴り合うような合戦、血しぶき、汚れた服、汚れてもつれた髪、ウォッカ一気、ダミ声…意味ありげな顔つきの役者もみんな良い。

魔女とか呪いとかお伽噺的なエピソードが本編と絡み合っていて、その整理され過ぎない泥くさい語り口が、迷宮に誘い込まれたようでとても良い。世界に浸れる。
途中出てくるアニメーションも好み。

「ウォンテッド」を見て、それよりこちらを推しているレビューがあったので見てみたが、ワタシもそのレビュアー様に賛同します。

「ウォンテッド」のやり過ぎ感はもはや笑いになっていたけれど、本作のやり過ぎ感から笑いは出てこない。
淡々とした高いボルテージの、狂気に似た想いが充満していて、洗練されていない伝え方や不器用なやり口が、とても純粋に訴えてくる。

続編の「デイウォッチ」も楽しみ。

余談:この監督にミハイル・エリザーロフの「図書館大戦争」を映画化してほしい…
そのじつ

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