お年寄りを主人公にしたほのぼのと心温まるヒューマンドラマ…と思いきや、なかなか皮肉の効いたリアルに老いを見つめた物語。
リタイアした音楽家フレッド＝マイケルケインは、高級ホテルで同じお金持ち仲間と優雅にバカンスを過ごしてる。彼の親友で映画監督のミックとは本音で語り合う仲間。
同じ宿泊客の個性的な面々を観察しながら、ミックと共に自分達の老いを揶揄する。
娘との葛藤。思い出の中の妻。なぜか断り続けてる女王陛下主催のコンサート。
フレッドが牧草を食むのどかな牛に向かって指揮を振る場面。
今は巨大に太ってしまった高名な元スポーツ選手がテニスコートで練習する風景。
無言で食事する老夫婦の、うって変わった激しい劣情現場を垣間見る場面。
全裸のミスユニバースがその肢体を見せつけるように入浴して来る浴場。
印象的なシーンがいくつかあってアーティスティック。
老いる恐ろしさを皮肉を込めて描いてる。他人事じゃなくてちょっと怖い。映画監督ミックのミューズ役ド派手なお婆さん…なんとジェーンフォンダだと知ってビックリ！やっぱり老いは恐ろしい(´⊙ω⊙`)
スイスアルプスの山あいの豪華ホテルで、こんな優雅な老後を送ってる事が庶民には垂涎の的。でも老いは金持ちにも庶民にも平等に満遍なく襲って来る。
老いとやがて迎えるそれぞれのフィナーレを見つめ直す、辛口ヒューマンドラマでした。
