ぬーたん

さらば冬のかもめのぬーたんのレビュー・感想・評価

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)
3.8
1973年だから45年前の作品。
ジャック・ニコルソンが若い。まだ30代。
若いと言ってもあの顔だからやっぱり年よりは老けて見えるけど、まだ髪も健在だし体も細い。
『イージーライダー』から5年、翌年は『チャイナタウン』その翌年に『カッコーの巣の上で』と脂が乗っている時代。
ジャケットは何故かニコルソンだけ、しかも裸かい!
ショーン・コネリーかと思ったわ。
他の俳優は知らない俳優ばかり。
と思っていたが、ランディ・クエイドはたくさんの作品に出演。
『ブロークバック・マウンテン』の憎たらしい農場主だったのね。
全く分からない。デニス・クエイドの兄だそう。
黒人俳優のオーティス・ヤングは役者から牧師になり、既に他界している。
出演するのはほぼこの3人だけで、刑務所まで護送しつつ旅をするロードムービーだ。
まだ若いメドウズの刑が重く同情するバタスキーとマンホール。
せめて色々と体験させてあげようとするうちに友情めいたものが芽生える。
ロバート・デ・ニーロの『ミッドナイト・ラン』を思い出す。もちろん今作の方が古いし、ストーリーは全然違うけど。
途中、日蓮正宗が出て来てお題目を唱えたりするのが、面白い。ナンミョーホーレンゲーキョー♪てね。女性が凄い早口だった。
願い事をしながら唱えるというのはどうなのかね?
運動会の音楽で何だか陽気に物語は進んでいく。
護送する2人の方が飲んだり喧嘩したりと騒いで、男は幾つになってもバカね、と呆れつつも微笑ましい。
女は情に流されず、さっさと任務を遂行して終わり、となりそう。
ニコルソンの漢っぽい暑苦しさと存在感。
他の2人の飄々とした雰囲気との相性も良い。
メドウス役はジョン・トラボルタも考えられていたそう。
それはそれで観たかったなあ。
ロードムービーは旅の終わりがラストだ。
どんなオチかお涙頂戴か?と期待するとやや肩透かしを食らった。
何ともニューシネマである。
ある意味、凄いかもしれない。
これは続編も作れそう、と思ったら企画があったそうで、それはダメになったが、監督と原作者がタッグを組み再び作った続編的な作品が昨年公開の『30年後の同窓会』だそうだ。
これ、観たいと思っていたから放映が楽しみ。
賞はたくさん獲ったが興行的には良くなかったというのも分かる、ちょっと地味な淡々とした作品。
個人的には楽しめた。
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