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太平洋の地獄のRのレビュー・感想・評価

太平洋の地獄(1968年製作の映画)
3.4
太平洋に浮かぶ無人島に、米兵ひとり、日本兵ひとり、太平洋戦争の真っ只中、ふたりは敵同士。日本兵を演じるのが三船敏郎、米兵がリーマーヴィン。日本兵は手先が器用で工作技術が高く、貯水袋を作って水を集めたり、罠を仕掛けて魚を捕まえたり、立派にサバイバルしてる。対して米兵はそういうことができないらしく、何とかして日本兵から水をくすねてやろうと忍び寄るが、ぜんぜんうまくいかない。自然が美しい海辺で一言も喋ることなく淡々とその様子が描かれる序盤は、こりゃまたとんでもない映画を見始めてしまったものだ、と戸惑いを覚えた。ど頭は少々興味を惹かれたが、同じ状態が続くとだんだん退屈になってくる。んー、眠くなりそーでーすーと思ってると、二人とも何となしにお互いに接近しはじめる。やはり人間に完全なる孤独は耐えられない。けれど、敵同士なのでいつでも喧嘩腰。しかも互いの言語をまったく理解できないため、意思疎通不可能。やれやれ、どうなることやら。途中で思わず笑ってまうシーンがいくつかあって、一番ワロタのは残念ながら忘れてもーてんけど、二つ目は、日本兵が見つけためちゃめちゃでっかい貝をガンガン岩にぶつけてやっとこさ開けたら、中に巨大な貝がいて、それをぐちょり掴んでかじりついたら、米兵がやって来て、おい!オレにもよこせ!半分こしろ!と奪っていく。小学生の喧嘩みたいでおもろすぎた😂 半分こって久しぶりに聞いたわ笑 ほんで、日本兵、暇すぎるのか、ビーチに大き目な枯山水を作り上げ、米兵が足を踏み入れたら、おい!やめろ!と叱られるの巻があったり。そんなこんなの言葉の通じないおかしなやりとりを通じて、だんだん仲良く?ってかまぁお互いの存在を認め合う感じになってって、遂には協力することをし始めるあたりは、おお!何か話が動き出してきたぞ!と多少のワクワクが!やっぱ人間って、一人ではちょっと大変すぎる複雑で大きなことでも協力すると成し遂げることができるし、協力することを通して、言葉は通じなくても、心が通じうるよねー。で、結局、自分の国からも敵の国からも他のいかなる集団社会からも切り離されたとき、人間って純粋に人間でしかなくて、たまたまその場所にいるだけの、何の文脈も関係ない、ただのむき出しの生き物に戻るのだねー。と、呑気に思ってたら、最後は結構いろんな意味で衝撃的。思わず、えっ!おわり⁈ って声上げてしまった。ものすご唐突…そんなのアリ…⁇ 何ちゅう映画や。そして、見終わっていろいろ反芻しながら、ひょっとすると登場人物が完全にふたりだけの映画って見たことないし、戦争がバックグラウンドにある兵隊たちの映画なのに戦争描写まったくないし、オーソドックスなところが何ひとつない実験映画みたいな作品だなーと。なのに日米トップスターが出演とは。なんて変な映画! けど、残念ながらボク好みの映画ではありませんでした。テーマは面白いんやけど、結構退屈で、何度も経過時間を確認してしまった。ジョンブアマン作品ってカルト的な人気があるようやけど、今んとこなーんかちょっと肌に合わないんすよねー。2回見るとまた違うのかな。
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