このレビューはネタバレを含みます
本作、良かったです。
余命わずかで家族の生き方を整えるだけの話しではなく、それぞれの母親探しの話しでした。
伏線やミスリードも上手かったです。
まず、びっくりしたのは高校でいじめられている安澄の乗り越え方は見事でした。
最初に洗濯物のシーン、上下お揃いのブラジャーとショーツを大切な日のためにと双葉が安澄にプレゼントし、それを身に付けて乗り越えるなんて想像してなかったです。
拓海との交流も良かったですね。
母親探しばかりだけでなくスパイスになってたと思いました。
そして双葉が安澄に手話を教えていたあたりもにくいです。
静岡に向けて出発するシーンと
霊柩車が出発するシーンが重なって
やり遂げた双葉の気持ちを表しているようでした。
探偵の滝本が「双葉さんにしてあげようと思うのは双葉さんがそれ以上に僕たちにしてくれたから」的なセリフを言ってましたが的を得ていましたね。
鮎子の母親と双葉の母親とが重なり
その辺の物語はハッピーエンドではないけれど、それぞれの物語が引き立ち奥行きが出たと思います。
芯の通った双葉役の宮沢りえさん、お見事でした。