むぎたそ

ハッピーアワーのむぎたそのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
4.8
見た。

男は桜子の旦那以外はみんな好きじゃなかったです。(女性側から描いているから当然か。)特にロン毛の編集者がキライ。こういうやついる!ってすごい思ったけど。「仕事できる」が自分の一番のアイデンティティーなやつ。
男にも自分の論理はあって、それが、相手のそれとあまりにズレているから、どうしようもない状態にいく。これは、男女間の感覚のズレというより、それぞれの個人の感覚のズレなのだろうけど。

よい映画って、最初の場面から面白いんだね。この映画も最初の場面で既に面白そう感が滲み出ていた。重心ワークショップの話も面白かった。隣の女子大生グループはマジ退屈と言ってたけどw 私事ですが大学時代に受けたロシア人の演劇の先生の身体ワークショップを思い出しましたw

小さな自然な会話劇の積み重ねで非常にスリリング。リアリティありながら面白かった。5時間、全く退屈しなかった。素人俳優4人、「恋人たち」と対照的だった。

両思いという状態は厳密にはなく、お互いの片思い一方通行が偶然一致した状態が、「愛し合っている」ということであり、その偶然が奇跡的に生まれている時は大事にしなければいけないし、それが失われたらその状態を受け入れなければならないのだと思う。

結婚したことないとわからない部分も多いのかもしれないけれど。

女の友情は微妙だね。でもこういう友達が30歳過ぎてもできたらいいなと思った。(いたらいいな、かな?自分の今の友達関係が続くのかどうかわからない)

他人を完璧に受け入れることはできないけれど、変化は受け入れることができるはず。他人のも自分のも。

意志が大事。

この映画に浸ってる時間そのものが、幸福について考える時間でした。これを家のテレビでは見続けられないでしょう。映画館でどっぷり浸かるべき。

あ、あと、神戸行ったことないのだけど、神戸というまちのランドスケープは非常に魅力的だなあ、と思った。海と山と。
むぎたそ

むぎたそ