むぎたそ

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのむぎたそのレビュー・感想・評価

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『パワー・オブ・ザ・ドッグ』妙な面白さがあったし、ニュージーランド出身女性監督だし、ずっと観たかったけど、この度大画面で見られるということで……!

これが身体から好きになるってやつかあ……。最初はハーヴェイ・カイテルの条件ずりー、、ってなってたけど、なんか純愛っぽくて、彼もまっすぐで(でも本国に奥さんがいるんだよな)、だんだん可愛く見えてくるんだが。夫との比較もある。だけど、夫も全然悪い人ではないじゃん。ピアノの扱いはどうかと思うが、歩み寄ろうとしてたし。そこが繊細で複雑で丁寧だよなあ。男性監督だったら思いっきり悪人に描きそう。カイテルも最初からやさしそうなまなざしだったしねえ。まなざしの変化など上手いと思います。

子供の使い方も上手い。お母さん大好きだからずっと味方かと思いきや、大好きだからこそあっち行ってて言われたらそうなりますわなあ。。

あの時代、何もかも決定権がなかった女性。家のものであり、男のものであり。そんな女性が、自らの選択で意思を決定するのは、全く容易くない凄いことだったのでしょう……。

マオリの人たち、西洋式の劇見たことないからって、つくりものの刃物(影絵)が出てきたからって、、それを阻止しようとするかねえ、、まあでもあれが当時のリアルなカルチャーショックのひとつなのかな。

マイケル・ナイマンの旋律、思ったより残らなかったけど……静かだね。







ここからはちょっとネタバレ!





夫も、主に顔だけど妻のこと大好きだったから完全に憎しみきれなかったんだろうねえ。殺さなかった!やさしい!ただ殺すんじゃなくて、ピアノを弾く指を切り落としたのは、、まあ象徴的ではある。

最後、ピアノと共に沈んじゃったら、物語としては収まりがいいけど因果応報みたいでやだなあ、、結局、女が罪悪感から反省?かあ、、ってなりそうだったけど、逞しく生きててよかったあ!!まあまあハッピーエンド?

最初どこに来たのか知らないけど、スコットランド移民だからダニーデンあたりかな?最後、翻訳では「北の方」と言ってましたが、ネルソンに行ったっぽかったですな。去年3ヶ月くらいネルソンに住んでたから、ちょっとうれしかった!笑
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