ハートブレイカー

ペットのハートブレイカーのネタバレレビュー・内容・結末

ペット(2016年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題:ペット
原題:The Secret Life of Pets

今年はズートピアやジャングル・ブック、そして格段にCGクオリティの低い日本のナンチャラとイッパイ云々みたいなヤツなど、喋る動物系映画が多いですね。

本作は公開前からかなり気になっていた映画ですが、いざ観賞してみると、わりとガッカリしました。
動物あるあるネタは完成度も高く笑えるのですが、大体「ズートピアで見たなぁ」な感じなのは作り手には責任はなく、たまたま同年に作ってしまった不運としか言えませんね。
それでも動物の可愛さは文句なしのクオリティです。
ギャグもところどころスベってるものの、まぁ面白いです。
CGのNYの綺麗さ、水・毛・ペット達の柔らかさの表現、動物モーションなどは文句なしのクオリティ!!

ただ、割りと序盤で「なんか思ってたのと違う」感が出てきました。
もっと、飼い主がいない間のペット達のアホらしくも愛らしい行動が沢山出るのかと思ってました。

何よりも脚本が・・・犬猫(その他少々、鳥・蛇など)でトイ・ストーリーを焼き直し、細部を取りこぼして仕上げました。みたいな感じなのが残念極まりないです。

●先住の犬マックスのもとに後から強い犬デュークが来て、先住の犬が若干肩身の狭い思いを強いられる
  >ウッディとバズ

●飼い主がいない時はペットらしからぬ動きをする
  >持ち主の目がない時のおもちゃ達

●後から来た犬デュークが保健所に攫われる(※1)
  >バズが窓から落下

●ペット仲間が協力して捜索
  >メインストーリー

●捨てられ、人間を恨む元ペット達
  >シドに破壊・改造されたおもちゃ(※2)

●最終的に親友になる
  >ウッディとバズ

などなど、焼き直しとしか思えない脚本です。

【※1】
保健所に攫われるのは2度あり、1度目はマックスとデューク2匹一緒→脱出。2度目はデュークのみ。
という点は微妙にトイ・ストーリーとは異なる

【※2】
これが最大の不満ポイントですが、元ペット達が救われずに終わる。
トイ・ストーリーでは、シドを恨んだおもちゃ達はシドに報復を果たすカタルシスがありますが、本作では彼らが何も救済されずに、結局下水道暮らしに戻ります。
しかも、元ペット軍のボスだった悪役の白ウサギだけが、“見た目が可愛い”というだけの理由で拾われて救済されるという欺瞞。
これまでコイツに従ってきた部下達はこの白ウサギを全力で殺しにかかっても良いくらいの最低な終わり方。


また、“人間とペット”という線引きがしっかりしていて、ズートピアとは違い、ペットは本来ペットが出来るはずの行動の範疇からは大きく逸脱しないだろうとタカを括っていましたが、道具を作ったり車を運転したり、おもいっきりファンタジーな行動をし始めたので激しく萎えました。


さらに、演出にも不満があり、そもそものコンセプトである『飼い主がいない間のペットの暮らしぶりを描く』に則って、同一フレームに人間が映っている場合は100%鳴き声にし、人語を話すときは絶対に人間がフレームインしていないというようにして欲しかったです。
飼い主からの目線でも人間がフレームインしていなければ人語で、カメラを引いてフレームインすると鳴き声を徹底し、一番最後の「ようこそ我が家へ」だけは人間が映ってるのに人語という演出なら感動も増したでしょう。
一応このような演出はされているのですが、100%徹底しているわけではなく、曖昧にしている箇所が目立ちました。
「あ、ここでは喋るのかよ」と。
(背景の奥のほうにモブ人間が映ってるときは人語でもOK)


ディズニーならこういった取りこぼしはせずにキチっと演出し、綺麗に終わらせてくれた事でしょう。


ポメラニアン好きなので、白ポメのギジェットを始め犬の可愛さをしっかり表現出来ていたことと、CGの綺麗さで大きく加点して★2。
あ、ミニオンズのショートムービーはかなりスベってました。