ハートブレイカー

TENET テネットのハートブレイカーのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題:TENET テネット
原題:TENET


毎年、映画館で数十本見ているのに、今年は某ウィルスのせいで、本作が劇場鑑賞1本目!
映画館に行けないのは辛かった。

これぞノーラン映画!
IMAXでドコドコ腹に響く音楽も最高だし、やっぱり映画館での鑑賞は最高!

本作はノーラン映画史上、最も難解だと思った。
いきなり「エントロピー」が云々と言い出した時は「マジか」と思った。
私は理工学部卒で、大学時代に力学・機械力学・材料力学・熱力学・流体力学・電磁気学etc...をやっているので問題なく理解したが、文系学部卒の妻は鑑賞後に「エンなんとかって何?」と困惑していた。


物語の内容はアベンジャーズ:インフィニティ・ウォーのように、9個のヤバいアイテムを悪役が1つに揃えると世界が滅びる!阻止せねば!という内容で、まぁ普通に面白いので詳しくは書かない。


今回書きたいのは、主人公の相棒になる男『ニール』とは何者なのか、という点。

結論から言うと、ヒロインであるキャット(キャサリン)の息子マックス(マクシミリアン)だろう。


キャットが撃たれ、空港の回転トビラに向かう途中、ニールと主人公が会話してるシーンでふとそう感じた。
会話の節々に、息子を思わせるような感覚があった。

そこから少し経って、ラストのミッションに向かう前にキャットが主人公に対して「息子の最期」と言った時、主人公がチラっとニールに目線を送ってから「最期じゃない」と言ったのも、怪しい。
(※しかし、ラストのニールとのやり取りを見る限り、主人公はニールが未来人だと知っていたのかはよく分からない)


ニールがマックスだとすると、色々としっくり来る。

ラストの地下で、鉄格子の奥にニールの死体(5円玉のようなストラップで分かる)があり、立ち上がってヘッドショット喰らい、鉄格子を解錠してから立ち去って行く。
これは、最期の会話をした後にニールは時間を『逆行』させて地下に戻り、主人公を助ける為に死ぬという事。
(あの瞬間、バッグにつけたストラップを見た主人公は、「これからニールは俺を救うために死にに行くんだ」と気付いて涙ぐんでいる)

勿論世界を救う目的もあるが、母を命懸けで助けてくれた主人公の為に息子が恩返ししてるとも考えられる。


時間の『逆行』はタイムトラベルとは違い、1時間前に戻るには1時間かかる。

8歳くらいのマックス少年がニール(30歳前後)だとすると、10~13年後くらいに20代になったマックスが回転トビラに入って、10~13年間も『逆行』し続けて現代に現れているという事。

まともに呼吸もできず、生きていくには困難な逆行を10年もやる覚悟。
凄まじい精神力。
ただ、”TENETのボスである主人公に命令されたから” という理由だけでそこまでの苦行を実行できるか、と考えると、母を守ってくれた主人公への恩返し&自分自身も母を守る役割の一旦を担うという明確な目的があるからこそ、ニールは自己犠牲を選択できるのではないか。


そして、マックス = マクシミリアン = Maximilien
Maximilienを『逆行』させてみると、Neilimixam・・・Neil ニールとなる。

ちなみに、ラストでニールは一見地下に戻らずに、アイヴスと一緒にヘリに乗り込んでいるが、これは当然、地下の回転トビラは爆発にて既に破壊されているので、一旦ヘリで母船に戻ってから、船内の回転トビラで『逆行』をする為。


以下はマジメな語りではなく小ネタのようなモノなので真に受けないでください。
●キャット役のエリザベス・デビッキは190cm
●セイター役のケネス・ブラナーは177cm
●ニール役のロバート・パティンソンは185cm
(190+177)/2 = 183.5
丁度足して2で割ったくらいの身長!やはり息子だ! なんてね。


【追記】
ラストの10分間の挟撃作戦は、順行のレッドチームが10(TEN)分、と逆行のブルーチームが10(TEN)分という事で、
レッド→TEN NET←ブルー で『TENET』になっているとすると、
ニールはピッタリ10年後に逆行を始め、主人公とニールで『10年間』の挟撃作戦をしたと考えた方がキリが良いかな。