ハートブレイカー

ワンダーウーマン 1984のハートブレイカーのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題:ワンダーウーマン1984
原題:Wonder Woman 1984

公開日の朝イチで鑑賞し、レビュー書こう書こうと思いつつ、いろいろ忙しかったのでこんなタイミングになってしまった。
もうすぐJLスナイダーカットが出てしまうので大急ぎで書いた。


【良い点】
●ガル・ガドットがとにかく美しすぎて、彼女が何をやっていても魅了される。
最高のキャスティング!

●冒頭、ダイアナが子供の頃のオリンピックシーンが割と長いけどダラダラせず、きちんとラストのダイアナの行動に通じる伏線としての意味もあり、ただ単に見ていて面白いということもあり、最高だった。
度々引き合いに出すが、シャザムの冒頭の掴みはあまりにも下手でつまらなかった。

●ハンス・ジマーの音楽最高!
DCEUでのワンダー・ウーマンのテーマ曲が割と荒々しい(レッド・ツェッペリンの移民の歌っぽい)のに対し、同じ音楽のアレンジだけで希望に満ちた明るいイメージにしてしまう手腕がすごすぎる。

●冒頭のショッピングモールのシーンは、MCUなどに比べると微妙にチープな画作りに見えてしまうが、なぜだかガル・ガドットが頑張っている姿で涙が出た。

●インビジブルジェットが登場!
昔はワンダーウーマンが飛べなかったのでインビジブルジェットで飛んでいた。
しかし、原作では飛行機だけが透明になり、乗っているワンダーウーマンは(ツェペリさんのように)座った姿勢のまま浮いているように見えるというマヌケなガジェットだった為、近代では生身で飛べる設定が使われる。

●前作では人間世界を知らないダイアナにスティーブが教えるカルチャーギャップコメディが面白かったが、今作では現代を知らないスティーブにダイアナが教えるという逆転構造が面白い。

●マックス(マックスウェル)・ロードは原作では石油王ではないが、原作のテレパシー&マインドコントロール能力をきちんとアレンジしている点が上手い。
原作でも能力を使うと鼻血を出す。

●ゴールドアーマー登場!(あんまカッコ良くないけど)

●スティーブとの別れのシーンが最高。一切振り返らず、走りながら傷が治癒していくダイアナに泣けた。

●リンダ・カーターがアステリアとしてポストクレジットシーンにカメオ出演。
知っている人にとっては本作最大級のニヤリポイントではなかろうか。
リンダ・カーターは70年代のテレビドラマ版ワンダーウーマンで主演を務めた。
(ちなみにドラマ版スーパーガールでは大統領役で出演、ヤング・スーパーマンにもカメオ出演)



【悪い点】
●ドリームストーンの設定があまり良くなかった。
どれほどの事態が起こっても「取り消す」と言うだけでOKってそりゃないでしょ・・・。
最初は“ストーンに触れながら願う”ルールだったのに、ラストでは電波でOKになってるのも設定がガバガバすぎた。
実際に当時の大統領のロナルド・レーガン(副大統領はジェリー・ルイスではない)が進めていたスター・ウォーズ計画が出るのは良いのだが・・・

●バーバラ・ミネルヴァが、パーティにドレス姿で現れた時の姿が作劇上『ものすごく美人!』という描かれ方をしているが、「別にそんなに変わってねぇ」と思ってしまった。
変貌する前のバーバラをもっと太らせるだとか何かしらの特殊メイクをするなどして、きちんと不細工にしておかないとあのシーンは成立しない。
それと、バーバラを演じたクリステン・ウィグが悪いわけでは全くないのだが、ガル・ガドットと比べるとどうしても・・・。
シャーリーズ・セロンとかナタリー・ポートマン級の美人でもないと、「ダイアナと同じレベルの美人が現れた!」という展開は無理がある。

●バーバラがチーターの姿になる点に納得が行かない。
バーバラが「最強の捕食者はチーターだ!」とか「チーターという動物は強くて美しくて憧れている」と言うなど、事前に明示しておかないと、“なぜバーバラの願いがチーターの姿として反映されるのか”という部分の説明にならない。
コミックで有名なヴィランだからチーターを出したいというのは制作側としては当然の思惑だが、そこにきちんとした設定を入れてほしかった。
マックスを助けにホワイトハウスに現れた時にチーター柄の服を着てただけでは説明になっていない。

●ダイアナの演説を聴いて、世界中の人々が願いを取り消すという展開は流石にご都合主義が過ぎないだろうか。
バーバラは取り消しておらずチーターのままだったが、世界中の人々も2割くらいはそのままにしそうな気がする。独裁国家のトップなんかは特に。



【小ネタ】
●ワンダーウーマンシリーズは、ゼウスやアレスなどギリシャ神話の人物が登場するが、本作のキーアイテム『ドリームストーン』を作ったとされる、『デューク・オブ・デセプション(欺瞞の公爵)』は神話の人物ではなく、DCコミックオリジナルのキャラクター。
主にワンダーウーマンと対峙することが多い。

●本作のヴィランのチーターとなったバーバラ・ミネルヴァは、原作では3代目チーター。
初代はプリシラ・リッチ、2代目はプリシラの姪のデボラ・ドゥメイン。
バーバラは4代目のセバスチャン・バレステロス(初の男性チーター)に能力を奪われ、後にチーターの力を取り戻す。
今後の映画のシリーズ展開でこのあたりが描かれる可能性もゼロではないのでセバスチャン・バレステロスの名前を覚えておくと良いかも知れない。

●マックス・ロードに利用され、逮捕されてしまったサイモン・スタッグは、DC世界では有名なキャラクター。
テレビドラマ版のフラッシュや、バットマンのゲーム『アーカムナイト』などにも登場している。

●ダイアナの部屋に飾ってある写真。前作でスティーブの秘書だったエッタが年老いた姿でダイアナと一緒に写っていたり、トレバー牧場(スティーブの実家)にダイアナが行った写真があったりなど、前作から70年間ダイアナがきちんと生活していた事が伺える。


JLスナイダーカットも3作目も楽しみ。