カミワザ

スパイダーマン:ホームカミングのカミワザのレビュー・感想・評価

4.6
再び焼き直しされたスパイダーマンのプロモーションは過去のシリーズと比較しても、かなり子供アニメっぽいイメージ。
特にシリアスに描かれた『アメイジング・スパイダーマン』との落差には同じスパイダーマンと思えない印象。
しかしながら本編はしっかりというよりリアルな少年の心の描写が丁寧で、感情移入しやすい。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でマーベルデビューしたスパイダーマンのその後を描いた物語。
特殊なクモに噛まれて超人的な力を得た誕生物語をばっさりカットし、力を得た少年がその力を何とか人の為に使いたい、ヒーロー願望むき出しの感情から行動が空回りする、そんなヒーロー初心者の活躍に焦点をあてているところが見所。
これをみていると、どんな仕事でもひたむきに頑張っている新入社員を見守っているいるような感覚になる。

そんな新人ヒーローに対峙する悪役も、FBIや、アベンジャーズに隠れながら悪事を働くといった、ちょっと小物感。そのパワーバランスがちょうど良い。
悪人を追っていく中で事態が大きくなりスパイダーマンを追い詰めていく、クライマックスへの盛り上げ方も秀逸。

アイアンマンの関わり過ぎないチョィ役も良く、二人!?のヒロインも魅力的。
悪役バルチャーの造形も格好良く私好み。なんせ悪役が渋いおやじってのもいい。

個人的には見所満載の非常に満足度の高い一本。
シリーズ一番と推しておきます。
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