コメディというより体験型アトラクション。
ラストシーンから画面が暗転した時、どうしようもなく寂しい気持ちになった。この2人とせっかく友達になれたのにもうお別れなのかと思い、涙が溢れた。映画で泣くことは山ほどあるけども、こういう涙は珍しい。
終わってから思い出す。
そういえば自分はノンケだった。
また何故か寂しい気持ちになる。
この映画は88分というとても慎ましやかな尺で撮られているが、多分これが『牯嶺街少年殺人事件』くらい長かったとしたら、明日から10%くらいはトランスしていたかもしれない。
ショーン・ベイカー監督の映画は初見だが、この監督の彼女らに向けられる視線はどこまでも暖かい。この映画が安心して観てられるのは、アンハッピーエンドにならないことが始めから分かってるから。
結局、人々の心を動かすのは差別に対するアカデミックな講釈や新潮45の記事に対する吊し上げなどではないということかもしれない。
この映画を撮ったまさに同じ装置を使って、こうしてレビューを書いていると思うと、なんだか感慨深い(5sじゃないけども)。