めかぽしや

或る終焉のめかぽしやのレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
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人には命の終焉の仕方が色々ある。
ある者は病が身体を蝕んで、
ある者は自ら命を絶って、
そしてある者は…
細く消えていく命と瞬間に消える命の
対象が明確に映し出され
お見事でした。


終末期患者の在宅ケアをする看護師デイヴィッド。
看護師という立場を超えて患者に接する姿は側からみると素晴らしいです。
共通の趣味を持ったり、
亡くなった患者の葬式に出席したり。
心から接する姿は看護師の鏡だけど
少々度が過ぎのような…
案の定家族からセクハラで訴えられもします。
きっと患者がデイヴィッドを必要とした以上にデイヴィッドが患者を介護する事を
必要としていたのでしょうね。


後ろにかかる音楽もなく、
ただ淡々と介護するデイヴィッドの姿と
ランニングするデイヴィッドの姿を映し、
他者との接触でデイヴィッドはどんな人なのかが少しづつ理解できてきます。
そして過去も。

説明まがいに話しが進んでいくより
ぼんやりと背景が見えてくる方が
好みです。



本作のマイケル・フランコ監督の前作
『父の秘密』を観ていたので
ただじゃ済まないぞ!と思ったら案の定でした。
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