こたつムービー

スターリングラード 史上最大の市街戦のこたつムービーのレビュー・感想・評価

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「スターリングラード」ロシア版2013年産。
戦争映画にはまずもって一定の敬意を払う。が、93年ドイツ版の傑作には遠く、遠く及ばない。

バランスもなってない。味方の水兵撃ち殺したり、水場の丸腰ドイツ兵を撃ったり「おいおい、観る方はどう肩入れすりゃいいのよ?」状態と化す。「5人の父親」がキーワードなんだが主要メンバー6人いるし。なんだよおい。ロシア側からの視点を期待したがなってねえ。残念だ。

それと93年ドイツ版をレスペクトし当時主演のトーマス・クレッチマンがドイツ側で気を吐くが余計ぼやけてる、と評価せざるをえん。アクションも(CG駆使するが)93年版に迫力負け、ドラマパートばっか。オレは切に想うが戦争映画は「負けた側」に限る。勝った方はどこかカタルシスと撮る動機に弱く、ヒロイズムばかり目立つからだ。戦勝国側ではいかに「ツイスト」させるかで出来が決まろうもの。創りとして市街地の美術と照明は良い。

東日本大震災のロシア救助隊を掛ける辺りも符号するが(それでいて日本人はでてこないっつーね)、激戦地を安易にゴラクにしちゃあいかんのよ