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故郷の便り/家からの手紙の10000lyfhのレビュー・感想・評価

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)
3.0
アケルマンが故郷を離れ住んでいた 1970年代のニューヨークの風景映像に、母からの手紙の朗読が重なる。予算的にも労力的にも非常に安上がりで、傑作とは言い難いが、フィルモグラフィに並ぶには遜色ない作品。つねに映画のアイディアを考えていた人ならではの発想だろう。映像にはニューヨークへの愛がにじみ、朗読には望郷や家族への思いがこもる。異国の愛する居住地を散歩しながら、故郷や家族に思いをはせた経験があれば、共感する内容だろう。街路と車を捉えたいくつかの定点カメラ映像に始まり、ショップや雑踏、そして地下鉄が多くフィーチャーされる。向かいのホームのカップルの手前に、列車が 2本走りこむモメントは素敵。終盤に車からの車窓の長いカットがあり、最後はフェリーの後方、カモメの群れや霧にけむるウォールストリートを映す長いカット。手紙の内容は、両親が経営する服の販売店(だいたい不振)や家族(体が弱そうな人が多くて心配)の近況、アケルマンへの執拗な手紙の督促。母、という感じ
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