のん

スキャナー 記憶のカケラをよむ男ののんのレビュー・感想・評価

3.7

いまだに ふみロスから立ち直れていない状況だが、やはり木村文乃は素晴らしく美しいなというのはこの映画でも認識させられた。



おそらく現在、日本で一番エンタメ作品の脚本を書くのが上手い古沢良太の最新作は野村萬斎を主役に据えた異色のミステリー。


モノの思念を読み取るというさながら「サイコメトラーEIJI」のような物語だが、肩肘張らない娯楽作品として手堅い仕上がり。



とはいえどこまで設定があるのか、ともするとガバガバのようにも思える思念のルールが今一頭に入ってこず、細かい部分で意外と矛盾だらけなんじゃないの?とも。



古沢作品の真価は原作もの枝葉を綺麗に落としていくそのアレンジ力と、全編に渡る伏線の折りたたみにあると思っているが、今作ではそのどちらも感じられず。非常に逆説的であるが、今作を観て過去作の脚本の凄さを改めて思い知ることになった。
のん

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