ぬーたん

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のぬーたんのレビュー・感想・評価

3.2
実話ベース。高評価作品だが…。
あまり感動しなかった。アタシ、あまのじゃく?
後にアメリカ最高裁が『同性婚を含む全ての婚姻を保証する』という判決を出したことに影響を与えたと言われている。しかし実際は刑事のローレルがパートナーのステイシーが自分の死後に家を手放すことがないように遺族年金を遺したい、という一心で闘ったもの、理由は単純だった。同性婚を認めて貰いたいという差別撤廃や偏見との闘いとは違い、あくまで遺族年金という金銭とその権利を主張したもの。
ここに、違和感を感じてしまう。本人たちの想いが美化され利用されたのかなと勘ぐる気持ちが、感動を薄めたのかも。

最近、多い映画。
同性愛のカミングアウトや権利の主張。
同性愛者が法の改正を求めてデモしたり乗り込んだり。
病気、特に若い人のガンの話。
そして、実話ベースでエンディングに本物の映像が流れる。
というパターン。
ちょっと飽きたのかも。

迫真の演技と絶賛されたジュリアン・ムーア。
『アリスのままに』が記憶に新しい。
同じく病魔に侵され衰弱していく(変わっていく)主人公を熱演した。
実年齢56歳と相手のエレン・ペイジは29歳で(公開時)年齢差は親子ほど。それでもジュリアンを起用した理由は、彼女の演技力に作品を委ねたということか。
エレンは自身も同性愛者とカミングアウトしている。
そのせいかは分からないが、小柄でキュートな顔立ちなのに、仕草や歩き方も男性的で、最初は合わないと思ったこの役にマッチして、ジュリアン同様、演技が素晴らしかった。

ローレルの仕事の相棒で協力的な同僚に、マイケル・シャノン。氷の処刑人など悪役の多いコワモテだが、芯の通った熱い想いを演じてる。
そして、スティーヴ・カレルが!こんなシリアスなドラマに、いつものコメディータッチで和ませる。

委員会のシーンが何だか重みがなく安っぽい。
2人がカップルに見えない。
など、ちょっと入り込めなかったなあ。
感動した方、ごめんなさい。(>_<)
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