鷺宮テラス

ビリー・リンの永遠の一日の鷺宮テラスのレビュー・感想・評価

ビリー・リンの永遠の一日(2016年製作の映画)
4.7
美しく切ない。

2003年にイラクの大量破壊兵器の保持を理由にアメリカがイラクに先制攻撃をした戦争が題材。

戦争を始めるには大義名分が必要だけど時間が経過してくると戦争の正当性に疑問を持ち始める国民に対して"英雄"を作りあげる。その矢面に立たされた青年のお話。


"心的外傷後ストレス障害"は日常の生活の中で過去のトラウマがリアルにフラッシュバックし追体験してしまう症状らしい、アメリカンフットボールのハーフタイムショーの映像とフラッシュバックは美しすぎて言葉では表せない。

主人公ら若い兵士同士はアホな会話をして呆れてしまうけれど、戦争から帰ってきた彼らにもう居場所はなかったんだ。

What else is there?

という言葉が胸に突き刺さる。


主人公を心配する姉役のクリステンスチュワートが化粧っ気がない役でもほんとに綺麗だった。この二人の姉弟愛も素敵だった。

静かに進行するお話で盛り上がりはないけれど死ぬまで心に残る作品に出会った。
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