カツマ

ドント・ブリーズのカツマのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.4
お化けも殺人鬼もミュータントも出てこない!敵は盲目のおっさん!(と犬)。たった1人と1匹相手にこの強盗犯達は何をやってるんだ、と思ったのも束の間、このおっさんがそんじょそこらのエイリアンよりも恐ろしい存在であることを知る。おっさんは目が見えないため次の行動が予測しづらく、驚異的に鋭敏な五感によって、あり得ない場所から突如襲いかかって来るのだ!完全な闇の中での激闘がやはりハイライトか。強盗犯達の立場に立てば立つほど恐ろしい!独自のアイディアと巧みな展開力でホラー映画に新たな金字塔を打ち立てた作品だ。

鬱屈としたデトロイトの街。不良少女ロッキーと彼女の恋人マネー、そしてロッキーに密かに想いを寄せるアレックスの3人は盗品を売り捌き、ケチな強盗で小金を稼ぐような毎日。ロッキーはまだ小さな妹と共にデトロイトをあとにしてカリフォルニアへと渡るためお金が必要だ。そんな中、マネーが新たに持ってきた案件は、盲目の退役軍人の家に眠ると言われる大金を狙うというもの。そのミッションは容易かと思われたが、退役軍人の老人は驚異的な五感を武器に侵入者を追い詰める恐ろしい人物だった!このままでは全員殺される!選ぶのはお金か、命か。闇に閉ざされた家の中で終わらないサバイバルが幕を開ける。

退役軍人は悲劇の主人公だったのか。いや、違う。その家にはケチな強盗犯とはどう考えても釣り合わない恐ろしい秘密が眠っていたのだ。徐々に明らかになる退役軍人の狂気!逃げても逃げても閉ざされる眼前の扉と、白眼に怒気を埋めながら狂ったように迫り来る最強の刺客!為すすべもなく復讐の標的とされる強盗犯達に未来など少しも滲んでいないのか。絶望と希望の狭間で揺れ動きながら、今にも息が止まってしまいそうなほどの緊迫感と格闘すべし。
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