たつかわ

ヒトラーの忘れもののたつかわのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
3.7
タイトルは、英題の「LAND OF MINE」でいいだろう

日本人が「地雷」と聞いて思いつくのは、
自衛隊がPKOの活動として地雷の除去を行ったこと、
地雷ではないが年に数回だけ不発弾が住宅街の地中に埋まっている
ニュースを聞くぐらいだろう。

現在では地雷探知機を使った方法で除去しているが、
本作は、ほふく前進の体勢で地面を触診するかのように
地雷を探している姿に驚かされている。

第2次世界大戦中にデンマークの海岸線には150万個の地雷が埋められ、
終戦後、数千人のドイツ兵がその撤去作業をさせられ、
半数が死亡または重傷をおったということですが、
ドイツ兵のほとんどは少年兵だったそうです。

本作のデンマーク人であり、ドイツ兵に対してものすごい恨みを持つ鬼軍曹は
少年兵にとって悪魔のような存在であるが、終盤優しい顔を向けたりもする。
ナチスのアイヒマンはユダヤ人虐殺について「命令に従っただけ」と言っていたが、
軍曹は最初、地雷撤去を少年兵にさせる命令に従っていたが、
己の正義感から上司に訴えたりする。

もう少し頑張ってほしかったのが、
同じ場所で、絵的にはほとんど地雷の撤去作業なので、
流石に途中で飽きてくる。

それにしても、邦題タイトルの「ヒトラーの忘れ物」はいただけない。
英題の「LAND OF MINE」でいいだろう。
うまいダブルミーイングだ。
「ランドオブマイン」ではダメ。

おススメです。
たつかわ

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