実話の持つ力と秀逸な映像の力。高い再現性と単なる再現ドラマではない作品性。組織の中で効率と安全を知る人にとっては、他人事ではない背筋の凍る再体験。たくさんのことを考えさせられる、期待以上に良い作品。
2010年4月、メキシコ湾沖。海底油田を所有する石油開発会社。石油採掘を請け負うサブコントラクタ。石油掘削施設にて衝突する両者。スケジュール遅れとしわ寄せが及ぶ安全性。採掘中に逆流した天然ガスの引火による大爆発。炎に包まれる石油掘削施設。施設内の作業員は脱出できるのか…
再現されたセットと違和感のない特殊効果が生み出した映像は秀逸。思わず何度も身をすくませてしまった。物語は海底油田流出事故につながる石油掘削施設の爆発に絞り込んでいるが、逆に様々なことを考えさせられる。
原題が石油掘削施設名なので、そのままは無理とは理解できるが、邦題は残念。また、mileをそのままのマイル表記と換算したキロ表記が混在していた。チェックすれば分かることで、この作品から何を学んでいたのだろう…
この映像体験は、絶対に劇場の大きなスクリーンで経験すべし。
