想像以上の迫力！
アメリカ史上最悪の石油災害を扱った実話映画。
石油流出事件って映画としては地味そうだなー、邦題もやっつけだなーなんて思ってたからあまりの迫力にびっくり！この事件は明らかに人災なんだけど、自然の持つ力とその恐怖を改めて実感できた。石油が出て喜ぶ人間に対して石油が暴走するシーンは、自然からの仕返しのような石油に意志があるかのようで本当に恐ろしかった。この迫力は数ある映画の中でも圧倒的なものだと思う。
そもそも、石油掘削-採掘の仕組み自体をあまり知らなかったので勉強にもなる。こんな事件があり、危険な作業に従事していた人々がいたのに目を向けてこなかったんだな。ニュースや事件概要だけでは伝わらないことが確実にある。
起こったことは自然の脅威ながら、この事件では明らかに管理する側の油断が招いた事故。延期による損失を恐れ、技術者の反対を押し切った経営側のヒューマンエラー。多くの人災と同様、「起こらないと思われたことが実際に起き、多くの人が死んだ」という事実を丁寧に描いている。
大事故の後の心の支えとして、家族がいかに救いとなるかという演出は監督が取材して感じたことなんだろうか。
ピーター・バーグの実話映画は外れがない。
