和桜

悪女/AKUJOの和桜のレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
4.0
女性版『オールド・ボーイ』。
リアルタイムで最初に衝撃を受けた韓国映画が『オールド・ボーイ』なので、それをオマージュする台詞やシーンが刺さりまくった。
唐突に時系列が入り乱れる映画はあまり好きじゃないけど、今作に関しては所謂「扉」みたいなものがあって綺麗にハマってる。

復讐ものは基本的に救いが見えない話でしかない。そんな結末を繕ったり諦める作品が多いなかで、今作のラストは完全に吹っ切れてる。
苦しみ以外の何も残らない状態でああなってしまうのは必然だし、救いなんて最初から無かったとも言える無意味な復讐劇。暴力の連鎖としてよく描かれる復讐を、苦しみの円環として自己完結的に描いてるわけで他とも一線を画してる。
復讐ものもさすがに飽和状態かなと感じてきてた所に、こういう作品をぶん投げてくる韓国映画の恐ろしさを久しぶりに痛感させられた。

途中から事情が読めてくるのは残念だけど、それ故に彼女が救いのない真実に向かっていく姿を見ていることしか出来ない状態を生んでいるので、甘さというよりもテーマに則した意図があったようにも思う。
一人称視点のアクションまでいくと何が起こってるのか正直わからないものの、バレエのレッスンに迷い混んだり花嫁衣装のスナイパーを始めビジュアルも好きだった。
和桜

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