こたつむり

痴漢電車 下着検札のこたつむりのレビュー・感想・評価

痴漢電車 下着検札(1984年製作の映画)
2.5
女性層反発必至。18歳未満お断りのコメディミステリィ。

えーと。まず、言い訳させてください。
本作はいわゆるピンク映画ですが、僕が知ったのは『最強!ミステリ映画決定戦』というムック本。つまり“ミステリ”を期待して本作を鑑賞したのです。いいですか。ここ重要。タイトルに惹かれたわけではないのですよ。

ちなみに、本作は。
日本アカデミー賞受賞作品『おくりびと』を手掛けた滝田監督の作品。しかも、若かりし頃の竹中直人さんが出演していて、超ノリノリで松田優作さんと松本清張さんの物まねを披露していました。この辺りも興味が湧いた一因です。

そして、物語の冒頭は昭和3年の満州から。
いやぁ。ピンク映画なのに満州が舞台って…気合が違います。また、ミステリ部分も、ラヴェルの『ボレロ』に乗せた密室殺人事件…なんて横溝正史先生も真っ青な本格派。更には“秘宝・黒真珠”の場所を指し示すダイイングメッセージ…そして、暗号。

うはは。これはミステリに期待できそう!

と思ってもですね。結局はピンク映画です。
上映時間の半分くらいは「あんあん」言っていますし、密室トリックは強引だし、暗号を解き明かす過程は雑だし、ダイイングメッセージはバカバカしいし、そもそも痴漢も電車も物語には関係が無く、完全にギャグに徹しているから“実用的”という意味ではピンク映画ですらありません。

だから、あくまでも想像ですが。
本作は“成人雑誌に載っているギャグマンガ”のポジションなのでしょう(とか書いていますが、ピンク映画にも成人雑誌にも詳しくないです…いや本当に)。酢イカを食べながら「くだらねえなあ」と笑って鑑賞するのがマナー。アテレコと台詞が合っていない、なんてツッコミも野暮の極みなのです。

まあ、そんなわけで。
ミステリ映画としては極北に位置する作品でしたが、見識を広げるために鑑賞してみるのも面白いかもしれません。鑑賞時間も一時間未満ですし「あんあん」言っている場面を早送りすれば、もっと短縮できるでしょう。ちなみに本作はシリーズ化していますので、副題に注意してください(余談ですがムック本で紹介されていた作品は『聖子のお尻』…なんつー副題や)。

でも、成人指定作品ですからね。
未成年は鑑賞したらダメですよ。
だから、TSUTAYAディスカスならば人と目を合わさずに借りることが出来るとか、専用アプリではアダルトページにアクセスできないのでウェブサイトから借りる必要があるとか、教えてあげませんからね。
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