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レディ・プレイヤー1のtanayukiのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.2
「竜とそばかすの姫」を見てがっかりしたあと、その理由を探るべく、久しぶりにこちらも見てみた。「竜とそばかすの姫」のところにも書いたが、現実世界の仮想空間(という言い方も妙なんだけど)で3Dアバターが当たり前になった世の中にあって、二次元で仮想空間を描くことの時代遅れ感がもう隠しようのないレベルまで来ちゃったんじゃないかと。二次元アニメが好きな人には申し訳ないけど、たぶん、もう骨董的価値しか残されてないんじゃないかなあ。世界的に見れば、テクノロジーの限界やコスト的制約によって実現できなかった表現手法がリアルになってきたのに、日本だけが古いやり方をあらためられずに取り残されるという歴史がまた繰り返されようとしているように思えてならない。

SNSが著作権侵害アイコンだらけなのを見ると、想像したものは全部実現可能なはずのVR世界で、既存のキャラが全然登場しないほうがかえって不自然で、そういう現実を一切無視して面倒な手続きを避け、お茶を濁す日本のアニメと比べると、次のようなエピソードと、映画に登場するイースターエッグの一覧(その数は想像以上!)を眺めてみるだけで、ハリウッドの本気が伝わってくる(もちろん、予算規模が全然違うということは重々承知してますが)。

「スピルバーグとプロデューサー陣は、クロスオーバーの為の著作権交渉に数年を費やした。スピルバーグによると、製作に必要とされた著作権の80%を獲得している」https://ja.wikipedia.org/wiki/レディ・プレイヤー1

ちなみに、アーネスト・クラインによる原作「プレイヤー1、準備OK(邦題ゲームウォーズ)」に続く、「プレイヤー2、準備OK」もすでに刊行済みだという。続編はありやなしや。

△2022/08/04 Apple TV鑑賞。スコア4.2

荒廃した現実から逃れるように、人々が仮想世界オアシスに入り浸る2045年。オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが遺したイースターエッグを、エッグハンターあらためガンターたちが探し回る。主人公ウェイド・ワッツのオアシス名パーシヴァルはアーサー王の円卓の騎士であり、聖杯探索に成功したパーシヴァル卿に由来する。つまり、彼は最初からそうなる運命だったのだ。

オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーは1972年生まれで、2041年没の設定。80年代ポップカルチャーがてんこもりなのは老ハリデーの趣味らしいが、ほぼ同年代の自分にはそれこそあちこちに隠された「イースターエッグ探し」が楽しくても、これ、若い人にはどう見えるのか、聞いてみたい気がする。ある種のノスタルジーを感じるのか、それとも古臭く見えるのか、はたまた一周回ってかえって新鮮に感じたりするものなのか。

△2018/10/26 iTunes登録。スコア4.2
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