ニャーニャット

レディ・プレイヤー1のニャーニャットのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
2.2


レースシーンの迫力や『シャイニング』オマージュの演出力はさすがとしか言いようがない。ほんと飽きさせない。

ただ、なんというか、、ダサいんだよなあ。

まずはヴィランが圧倒的にダサい。監督が信じてない悪役が魅力的であるはずがない。悪役は主人公の表裏になっているか、監督の社会通念上許されない主張や欲望が乗ってないとなんとも魅力的にならない。

だいたいスピルバーグの映画に魅力的な悪役がいた試しがないんだけど。成立してるといえば「モンスター」か「社会悪」だけ。

オアシスのUXもそれ無理だろっていうなんていうか詰めの甘さが気になって仕方ない…だいたい今時ルームランナーみたいなのに乗ってバーチャル空間を歩き回るなんてダサいにもほどがあるだろ…何も未来を見せてくれてない。

同じ仮想空間を扱った映画でいえば『アヴァロン』の描いた世界のほうがまだとんがってたし、提示したテーマも蠱惑的だった。楽しいかは置いといて…
『アヴァロン』でのゲーム中の奴らはただヘッドセットをつけて寝てるだけ、戻ってこられなくなった奴は病床で寝たきりになっているというかなりグロテスクな表現とUXだった。それでも仮想世界と現実を同価値と認め、仮想世界に生きて何が悪いと高らかに謳い上げる。
強いて言えば、というかそうなんだろけど、昨今の「ゲーム」の事情の違いを見て取ることもできる。『アヴァロン』の時代はとにかく家にこもって技を極めるために修行僧のようにゲームに没頭する。一方、近年の代表的なゲームといえば、イングレスやポケモンGOのように身体性が伴っており、どちらかというと片手間。
けど、「火曜日と木曜日は休みにすることにした」ってなんだよ…マジでダセェ…

80年代に何も郷愁がない僕にはちょっと辛い映画だった。