つぐみ

ノクターナル・アニマルズのつぐみのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.3
冒頭からどんな倒錯の世界が見られるのか、どんだけ勿体つけてくれるのかと、マルホランドドライブ的なものを期待したら至極まっとうなラブストーリーで、見てる間は「これでいいのかな…」と懐疑的な気持ちを抱きつつも釘付けで見終わったあと、トム・フォード様優勝〜〜!!となってます。
「怒り」も人間ドラマなのについついサスペンスが気になって「え??そういう話?」ってひっくり返された感じに近い。

愛か復讐か、みたいな命題さておきスーザンのやってることは元彼のFacebookついつい見ちゃう、みたいなしょっぱい行動。
満たされてないときあるある早く言いたい「過去の選択を振り返りがち」!!!

しかしエイミーはメッセージに続き豪邸住みがち女優では。
決して標準的な美形じゃないけど、成熟した大人の女性の色気が有り余っててちょっとグロスがギトギトじゃない?!ってところもまたトム・フォードっぽくて素晴らしい。

ジェイクは言うまでもなく熱演だけど、憔悴しきってるとナイトクローラーのときのように見えるし、若い頃のシーンは本当に大学生に見えるし(まあこれはヘアメイクさんが優秀なのかも…)一人の人物をこんな風にも演じ分けられるんだなー

大好きなジェイクがトム様の新作に…と3年近く待ち焦がれていたけど、結果1番おいしいところはマイケル・シャノンがかっさらっていったし(まあそんな気は薄々してたけどね)、キックアスのボンクラ野郎のイメージが強かったアーロン・テイラー=ジョンソンのクズっぷりに、ワンシーケンスだけのローラ・リニーの怪演が炸裂してて、ギュッと濃縮された大変満足な一本でありました。
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