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ノクターナル・アニマルズのmiumiuのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.8
別れた元夫が突如送ってきた、自分に捧げられた小説。これは愛か復讐か?

作品ごとにガラリと違う表情を見せてくれるアーロン・テイラー=ジョンソンが出演ということで、とても楽しみにしていました。いやあ狂ってた、怖かった。(褒めています)
主人公スーザンの現夫役のアーミー・ハマーもぴったりのキャスティング。華やかなのに虚ろ。助演まで隙のないキャスティングでした。
そして現実世界の主演エイミー・アダムスと小説世界の主演&元夫のジェイク・ギレンホールは観ていて切なくなった。
スーザンは同じ女性として全く共感できない。一見成功して全てを手に入れているようでいて、実際は満たされていない。
でもそれは自分の選択の結果だよね? それなのに、妙に他人のせいにするかのような描写。(もちろん監督が意図的に描いているのでしょう。)好きになれなかった。
小説を読み進めるにつれてスーザンとエドワードの過去が浮かび上がってくる演出は本当に秀逸。

ラストは観る人によって解釈が分かれそう。
確かに復讐とも見てとれる。ただし、小説の映像化はスーザンの脳内でしょうからね…(復讐と受け止めること自体、女のエゴかよ、と。)
私には復讐とも感じられたし、小説に関しては、いざという時に行動できない元夫エドワードからの謝罪の気持ちも込めたラブレター、とも感じられました。
ラストもまた然り。深い。
小説世界の描写が怖くて見返すのは躊躇う…けど、メタファー探すためにもう一度観たい作品。
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