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ダウンサイズのroofbalconyのレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
3.4
「円谷が1/8なら俺は1/14だ!」とばかりに、
ペイン監督、ウルトラQ観たんかな?
それはともかく、評価が割れていると知りつつ鑑賞。いや面白い。
早々にSFではなく全くのファンタジー+寓話とみなすかどうかで楽しみ方が変わる。現実の何に置き換えて眺めるかとか。
前半は楽しい。しかし長い。切ってもよかったのではと思えるシーンが結構ある。こまごまと尺を割いてる割に小さくなったらどんなリスクや軋轢が生じるかという小学生でも観てる間に思いつく問題を置き去りにしすぎな感。それをやりだすとテーマ的に却って肥大化orノイズ化するのもわかるが、そっちを期待した人には後半が完全に肩透かしで低評価なのも頷ける。バーで絡んでくる男の話で「それな」と皆思ったはず。とりわけ後半では普通人類が全く絡まずミニ人類世界だけの自己完結的な「復活の日」的な話になって前半の布石の意味が薄れている。彼らだけで生き残って次の世界の自然環境にそのサイズでどう抗うのか・・・ってこれ何の話だっけ?
おそらく、SFだとこの手の置き換えは宇宙移民、肉体や遺伝子の改造など、あの手この手で試みられており社会派テーマの迫真性では引けをとりそう、なのでそこを回避した結果なのか?であればもっと「ガタカ」みたいにミニマムな作りでテーマを集約した方が期待値を上げ過ぎずに済んだだろうけど、とはいえ予算がかかる設定だしキャストも豪華にして稼がないと、、ってことかね。でも結果は赤字だったようだ。

クリストフ・ヴァルツがやはり面白い。使い方もうまい。このキャラがいてくれてよかった。
途中降板したリース・ウィザースプーンは奥さん役だったのだろうか。だとすれば惜しい。「こいつ、やっぱりやりやがった」って感じでもっと笑えたと思う。
ヒロイン、ノク・ラン役の ホン・チャウは魅力的に思えたが・・・一部での低評価とキャラ造形(アジア人女性の戯画化)への批判ぶりにちょっとびっくり。(このキャラ単体の英語Wikiがある)たしかにステレオタイプ感もありはするが。同時期の「SW8」のローズ然り、何なんでしょうね。(問題が違うか)

舞台orロケ地:ネブラスカ州オマハ、カナダ・オンタリオ州トロント他、ノルウェー・ロフォーテン諸島・トロールフィヨルド
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