ジャズは夜の音。
月明かりの青を想起する。
青はジャズの色。
ブルージーと呼ばれる由縁。
それを感じられる良い作品でした。
チェット・ベイカー。
とても不器用で、寂しい人。
その弱さや寂しさが、聴く者の心に触れる官能的な音になるんでしょう…誰しも同じように、何かを抱えているから。
揺らめく紫煙と仄かに漂う哀愁が重なって見える。自分を消して、その場の雰囲気に溶け込んでいく…聴き方として、音に身も心も委ねるみたいな…浮遊感のある音楽。
彼がその音に至るまでを描いた作品。
イケイケな前半とは明らかに音質が違う。
その再現性も素晴らしかった。
薬やジェーンに依存する姿が痛々しい。
苦しみ踠いて、何かに縋りながら、それでも彼には悲しいぐらいラッパしかなかった。
印象的なのが、ジェーンと実家に戻った際の会話にあった台詞。
「ラッパがあった…それとラジオも」
彼の原風景の中で、拠り所であったもの。
だからこそ、Born to be Bleuって題名が沁みる。そうして育ったって背景を思うと…切なくて涙が堪えられなくなった。
ホントにバカな人だなぁ…って。
でも、そのひたむきさに憧憬さえ感じる。
私もバカのままでいたかったな…
おクスリまではしたくないけどね(´-ω-`)
私は本当に音楽に関しては雑食です(^_^;)
一時期、聴いてましたけど…ジャズはまだ早いなってのが、正直な感想。無理に聴いてても、大人に憧れる子供みたいで…逆にハズいなーって😅
今作のおかげで、少しは味が解るようになれたかな?渋みとか苦みとか…ちょっとは味わえるぐらいには成長してるはず(謎)
静かに過ごしたい夜。邪魔しないで寄り添ってくれる旧知の友みたいに、語らなくてもいい心地よさ。そんな風に聴けるようになりたい。
また何年か後に、もうちょっと侘び寂びとかが理解できるようになってから、また観てみたい。感じ方も変わるんだろうな…
私はまだBorn to be Wildでいいや(*´꒳`*)