実在の著名なトランペット奏者の話。
全盛期はとうに過ぎて、薬物中毒のために腕も落ち、演奏の機会すら与えてもらえなくなったところからこの映画は始まる。
誰も音楽なんて聞いてないような飲食店での演奏に参加させてもらって、まだあんたにはこういうところでの演奏は早いよと言われるシーンは悲しい。後から名前を聞かされて、え、あの人がここまで酷い演奏をするようになってたのか、という戸惑いが広がるところも厳しい。
でも彼は諦めなかった。
麻薬から遠ざかって必死で練習して、以前とは違う味を出せる奏者になっていく。
基本的にうだつの上がらない辛い状態がずっと続くのと、出会った恋人とのグダグダしたよくわからない抽象的な台詞のやり取りとイチャイチャとベッドシーンと、って感じで、正直かなり退屈で中々入っていけなかったが、ラストのコンサートにまつわるところが本当にすごくて、一気に印象的な映画になった。
彼の思いとトランペットと薬物と恋人と、色々なものが入り交じった複雑な後味。
感動した。