晴れない空の降らない雨

ルームの晴れない空の降らない雨のレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
3.0
んんー。男か女か、子持ちか否かで評価に差が出そう。というか、俺みたいな独身男性はお呼びじゃなかったですよね、ええ分かってました。何となく応募したら当たっちゃったんです。

要するに、本作の主人公は間違いなく息子だが、母親にどのくらい感情移入しながら観るかどうか。実際、演技は素晴らしかった。ブチ切れるところや、メランコリーになってるところが印象的。

ストーリー。脱出劇は前半であっさり目に済ませて、その後の生活に焦点を当てる。そこで、「ルーム」=納屋が何度かモチーフとして登場する。これは息子の原世界でありいわばエデンの園、そして母親との閉じた関係でもある。納屋なのは、キリストも関係あるのかな? ともあれ、こうして内と外とで揺れる子どもを丁寧に描けてはいるのだが、いかんせん図式的過ぎるし、主題も割とありきたりなのがな。

映像的にも、脱出〜救出あたりの音響含めた子どもの主観が現象学っぽくて印象的だが、それくらいかな。

それにしても、アメリカ人って庭付きの広い家に住んでるよなー。