がんちゃん

ボブという名の猫 幸せのハイタッチのがんちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
ダメ男の部屋にある日突然やってきたネコ的なやーつ。
ドラ泣き不可避の実話を映画化。

主人公ジェームズは実物の10割増しイケメン俳優ルーク・トレッダウェイが演じているが、茶トラのボブは基本的にボブ本人が演じている。
撮影の際はまずジェームズがボブを肩に乗せてからルークの肩に飛び移らせていることがメイキングで紹介されている。ネコは我が強く芸を教えるのが難しいそうなので、肩に乗せるだけでも凄いことなのだろう。
(代役の猫も6匹いたらしい)

ところで、ダメ男系の物語では主人公の成長をしっかり描くことが鉄則。

『さようなら、ドラえもん』ではのび太が自力でジャイアンに立ち向かっていく。

『アイアンマン』の3作目ではトニーがスーツに頼らず生身で戦いを挑む。

さて本作。主人公が薬物依存を克服しようと努力したことは評価できるものの、依存の対象がヘロインからネコに変わっただけのようにも見える。
「ボブがいなくても大丈夫」的な描写がもう少し欲しかったかな?

とはいえ、主人公がもともと善人であることは伝わってきた。特にネズミに優しい人間はディズニー映画ではプリンセスのフラグ(笑)。ボブに選ばれたのも運命かもしれないね。

つまり本作はダメ男の成長物語ではなく、本質的にはラブストーリーなんだと思う。
どちらかが欠けても成立しない、お互いに支え合う相互依存の関係。
ペットを客寄せに使って再生数を稼ごうとするyoutuberにはとても真似できない信頼関係がそこにある。

隣人ベティとの関係が発展しなくても全く問題ない訳である。
だって猫が恋人だからね!

そう考えると、ドラえもんとのび太の関係も相互依存な気がしてくる。のび太がだらしないとか、ドラえもんが甘やかしてるとか、そういんじゃないわけよ。
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