⚪概要とあらすじ
ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにしたドラマ。
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め...。
⚪キャッチコピーとセリフ
“それは、いちど聴いたら クセになる。しあわせ。”
「音楽は私の人生そのものです」
⚪感想
実在した女性をテーマにした作品。
絶望的な音痴とはなっているものの、私としては英語で歌われると上手いとか下手とか全く分からない。全部上手く聴こえる。
夢を追いかけるフローレンス。
夢を持つことの大切さや向き不向きで何かを諦めるのではなくただ前向きに行動する重要性。
共感性羞恥でフローレンスが歌っている時に笑われているのを観ると辛すぎて泣きたくなる。
歌は上手いか下手かというよりも思いがこもっているかどうかだと思う。
みんなは音痴だってフローレンスに言わないのは嘘とかじゃなくてその強い思いを知って心を動かされているからなのかなとか。私も聞いてパワーを貰えたし感動したもん。
評論家が音楽の冒涜だと言ったけどそんなこと全然ない。
音楽を愛していれば誰かの心には届くのだと思う。逆にいくら歌が上手くても自分に酔いしれて音楽を愛していなければクソみたいな歌ってあるんじゃん。
簡単に主人公を音痴や病気で傷つけられる設定であるもののくどくなくシンプルで観やすかった。
なんというかわざわざ「あなたはこうですよ」って言う人もいるけど中にはそれを言わるのは嫌な人も多く居るだろうし、それがネガティヴな内容ではあるほど傷つけてしまうから自分自身も気をつけないとと思う。
音痴だから音楽をやっては行けないルールなんてものはないし、実際にフローレンスはレコードが売れ、カーネギーホールで歌い、人気を博した。
自分自身が受け入れられない、馬鹿らしいという理由で批判するぐらいなら見て見ぬふりをして気にしない方が優秀かもしれないなと感じさせられた。
いい作品だけどいまいちパンチが弱いというかシンクレアがよく分からん人みたいになっているのでもうちょい昔の出会いとか愛とかの描写がさらにあったら良かったかなと。ただ公認の浮気して、金を払って不評が出ないようにしている人みたいに見えてしまった。
⚪以下ネタバレ
18歳で遊び人の医者の夫によって梅毒を患ったフローレンス。父に音楽を反対されたが亡くなったあと遺産を相続し音楽の道へ。
梅毒を治すために水銀やヒ素の投与をしていたとか。8歳でコンサートを行うほどのピアノの伴奏の才能があったが手の神経がやられてしまい不可能に。
フローレンスとシンクレア夫婦の愛。梅毒がうつる可能性がありシンクレアは公認の浮気。
最初はフローレンスに下品女と言われたアグネスがコンサートで腹を抱えて爆笑していたのが嫌いだったけどカーネギーホールでは静かにしろとブチ切れてくれて泣きそうになった。
コズメのおとぼけフェイス可愛い。
ポテトサラダを湯船的なところで作ってたのびっくりすぎる。あの量食べるんかい。
NYタイムズ事件。
シンクレアの思いやりに気づかなければ幸せだけど知ってしまえば酷く傷つく。シンクレアの優しさが痛い。
⚪鑑賞
映画天国で鑑賞(字幕)。