ツボを外されたというか、
そこツボなんで、もっと強く押してください!みたいな…そんな気持ちに。
ショーのシーンとかもっと音楽ガンガンかけてカメラぐるんぐるん回して気持ち良くしていただきたかったなー!?
衣装も美術も最高に好みなんだけど…うーん…その画! 好き! ポストカードにしてください!みたいなカットは沢山あったんだけど、ぜんぜん迫ってこなかった…なんでだろ…
予告編が良すぎたかなあ…いや、ある意味、予告編通りの世界観で、それは良かったんだけど。もうちょい華やかさを求めてたのかも。
一番はうん、見るべき人が見つからなかったというか…伝記映画なのに…
劇中劇と劇の境を曖昧にしてるのはわざとなんだろうけど、意図がよくわからなかったな。そもそもなぜ劇中劇にしたのか…?
マリメッコの創始者アルミ・ラティアは虚勢を張ってパブリックイメージを演技してた、ということを伝えたいのはわかったけれど、それを台詞で説明されると困ってしまうし、
合間に吐露される女優の苦悩はそのまま伝記映画を作成するスタッフの苦悩の吐露になっていて…それが、妙に言い訳がましく感じて…うーん…
現実を虚構化することで一種の自由さと遊び心と共にある映画や舞台製作の裏側というより、現実をいかに効果的に伝えるかがなによりも優先するドキュメンタリー製作の裏側という感じがして、
うーん、ルックは創造性たっぷりなのに、中身に創造性が欠けているように感じたというか…
必要な生々しさがなかったような。
でも不必要な生々しさがあって。なんじゃこれ??
舞台劇風の演出はもう、最高に好きだったんだよな、だからこそ。うーん??
肝心の女優の、劇中劇の芝居がイマイチと感じたのが…この種の映画では致命的だったかも…
序盤の布を売ってくれと迫る交渉のくだりとか、もっと丁々発止のやりとりでワクワクしたかったし、脚本だけならワクワクできたと思うんだけど、してやったり! 痛快な演技、演出にしなかったのは…北欧映画のセンスだからなのかなあ?
現実が虚構に引っ張られて崩壊していくというわけでもなく。仕掛けは良いのに…題材と合わなかったのかなあ、演出と合わなかったのかなあ、女優と合わなかったのかなあ、わからん。
女創業者アルミの男への反発を台詞だけで表現されてもチョットしんどいな、わかるけどさあ、見せてくれよ、と思ってたら突然の暴力、んんん、んん。
あれだな、主演女優に対する、男優に魅力がなかったのが残念。
シルクハットで股間を隠した男たちとか象徴的で面白くはあったけど。
やっぱり悪役が魅力的だからこそ主役が輝く部分ってあると思うし、
エゴの強いアルミの独り相撲の様子を表現するという意味では良かったのかもしれないけど、
それにしてはな…中途半端というかな…
アルミと娘の関係は見た目にも面白く見れたのだけれどなあ…
うーん…なんだこの不完全燃焼な感じ。うーん。
とりあえず、あの、アフロヘアの彼女、めちゃめちゃ素敵だった。すき。
あっ、そうそう、アルミが構想してたというマリメッコ村、宮崎駿がつくった女性用rest roomが広いジブリの社屋とか、宮崎駿が理想とする豊かな森の中で老人と子供が地続きに暮らす村だったかな街だったかな、を連想した。なんかこう、ユートピアとは、というようなことを思った。