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チリの闘いのkyokoのレビュー・感想・評価

チリの闘い(1978年製作の映画)
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こちらはフォロワーなつさんのご好意で観ることができた。
感謝感謝感謝。

以前「ミッシング」(こちらもフォロワーまさなつさんからのご好意で鑑賞。フィルマークスってほんとありがたい)を観たときに、チリのクーデターについての概要を頭に入れたつもりだったのだけど、このドキュメンタリーはそんなにわか知識など吹っ飛ばす代物。よくまあこんな映画が撮られたもんだ。すごいとしか言いようがない。

そしてチリの労働者たちの雄弁が胸熱。
己の労働は国のためにある、国の未来は自分たちの力にかかっている。
日本しか知らない私が、このような価値のもとに自分の労働力を置いたことなどあるはずもないが、労働者たちがストで交通機関がマヒしているならば歩いてでも!とラインを止めない気概に胸を打たれてしまった。
今まで社会主義の国が発展しないのは南米のテキトーな国民性では労働意欲や向上心を保つのが難しいからだけだと思っていたわ。。。

そしてアメリカを手詰まりにさせたのは彼ら労働者とアジェンデ大統領との団結心だけだったことに心底驚いてしまった。
「民衆はあなたを守る」と国民は叫び、アジェンデ大統領は最後まで官邸にとどまった。最後の国民に向けたラジオ放送の声には悲壮感ではなく強い覚悟。
「サルバドール・アジェンデ」も観てみたい。

2001年9月11日のアメリカを、1973年9月11日の記憶を持つチリの人はどう見たんだろう。
私ならつい「因果応報」って呟きそうになるけど、理不尽に身内や仲間が殺された経験を持つ人たちはきっと悼む気持ちを忘れない。
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