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メッセージのryodanのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ホント彼のビジュアルは素晴らしいですね。従来のSFの世界観で、主人公が言語学者というのが斬新。冒頭に出てくるシーンで理論物理学者との会話。「普通に話したい」という台詞がこの作品の肝だったとは。未知との対話はドラマティックで緊張感もあり音も素晴らしかった。解読が進むにつれて、こちらも何が目的かをもっともっと知りたくなる。ここだけの空間は申し分ない出来なのですが、海外諸国との連携、果ては中国、パキスタン、ロシアの宣戦布告までのエスカレート描写はちょっと辟易。未知が連帯を呼びかけながら、作中の米国の対中関係は露骨過ぎる。これでは中国が悪者扱い。それに呼応する国々も米国とは距離を置いている。テーマは崇高なのに作中の描き方自体がこれでは台無し。これではJ・レノンが「イマジン」歌いながら拳銃の引き金を引いているのと同じ事では?どうも作者が中国系米国人らしいので、そこら辺の塩梅もあるのかも知れない。ちょっと惜しかったね。
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