こたつむり

アントマン&ワスプのこたつむりのレビュー・感想・評価

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
3.2
★ あいつがマクロで、わたしがミクロで
  記念すべきMCU20作目!

うーん。正直なところ、微妙でした。
監督さんは変わっていないのですけどね。
前作『アントマン』で見た“輝き”を失っているのですよ。

その輝きとは…簡単に言えば敷居の低さ。
何しろ本作でMCUも20作目ですからね。
一見さんには優しくないシリーズなのですが、前作は他作品との関わり合いが薄かったため、誰でも楽しむことが出来たのです。

しかし、本作の場合。
前作を鑑賞するのは当然として『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー』から本作に繋がる“経緯”を脳内補完しておく必要があります。それを怠ると登場人物たちの感情が理解できません。

また、物語の潤滑剤であるコミカルな演出。
これも本作では上手く機能していませんでした。たぶん、前作の原案を仕上げたエドガー・ライトが関わっていないからなのでしょう。“間”の取り方が前作とは違い、なんとなく“重い”のです。

そして、物語の方向性も。
世界ではなく、個人を救う物語…というのは身の丈に合っていて良いのですが、全体的に乾いた筆致なので手触りが優しくありません。特に量子世界については完全に説明不足。理屈ではなく感性で受け止める必要があります。

このあたりは個人の好みなのでしょうかね。
縮尺を自在に変えることで相手を翻弄する…マクロとミクロの違いを強調するアクション場面は面白かったので、そこまでに繋がる“想い”を丁寧に紡げば…もっと違った感覚だったんじゃないかな。

まあ、そんなわけで。
一見さんお断りの玄人向けの作品。
敷居の低さに期待しない方が良いと思います。
ただ『アベンジャーズ4(仮称)』への繋がりを考えたら、本作の立ち位置は重要なポイントだと思うので、MCUを追ってきた人にとっては「鑑賞しない」という選択肢は“無い”のでしょう。

是非とも予習・復習を忘れずに。

To be continued… →→→ 
    『キャプテン・マーベル』
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