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リメンバー・ミーのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.0
お彼岸なので。
関連作品に度々現れたディズニーの本作、メキシコにもお盆のように死者がこの世へ戻ってくる「死者の日」があり、死者が迷わずに戻れるよう花を道に撒き、街中に花とロウソクを飾って祝う。 ガイコツだらけの死者の世界へ間違えて行ってしまった少年ミゲルが亡き親族と出会い、家族が再生する物語。メキシコの音楽が楽しく、祭りの映像が美しく、劇場の大きなスクリーンで観たかった。

死者になっても誰からも思い出されなくなると、ガイコツも死者の世界から消えてしまう。家族等が写真を飾ったりして、顔を思い出し続ければ消えない。そんな言い伝えと音楽に人生かけて家族を捨てた父(高祖父)の一族は音楽がタブーとなり、高祖父の写真もない。

メキシコの音楽は楽しくてちょっと哀しくて好き。

人は他者の記憶の中に生き続けるという。ネット社会にデジタルのチリとして生き残ってしまうみたいに、人の記憶を変えることはできない。そこを上書きした作品。映画ならではです。うらやましい。近年、人の記憶から消えたい、忘れられたい願望がさらに増していて、「そんな人いたっけ?」とフェイドアウトするのが終活の理想。
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