話題作ですね。泣かされたし家族や死について色々考えさせられたけど、違和感も残った。
よかったところ。そもそもメキシコの死に対する儀礼文化と死生観を、米国のエンターテインメント企業であるディズニーとピクサーが映画化したという点が意欲作だと思った。肉体的な死ではなく、忘れ去られる＝人々の心の世界から消え去ることの方が本当の死である、というような考え方も興味深いと感じた。展開としては、最後の最後で、まったく意外な人が重要な役割を果たすところが面白かった。
ただ、ほかの方も書いていたが、家族が代々守っている家訓や伝統についての描写が今ひとつで、そこが乗り切れなかった。歌手も靴職人も、どちらも素晴らしい職業だと僕は思うよ。劇中、ある人物が大切な楽器を無残に壊すシーンがあって、あれは本当に悲しかった。主人公はあれほど家訓に苦しめられたのに、最後は一足飛びに大団円。そこが引っかかってしまったので、このスコア。
