ぺっこり180度

リメンバー・ミーのぺっこり180度のレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
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絵の美しさ!動きの気持ちよさ!
そしてミゲル役の声の魅力とそれに輪をかけた歌の魅力!!
あの歌声を聞いてぐっと心を掴まれた。

一方、物語。

まあ後半に向け一見感動的になるけれど
前半(から物語終了直前まで)、
ミゲルがあれほど欲している物(音楽)があるのに
どんなに懇願しても主張しても何一つ聞き入れることなく
頭ごなしに音楽には一切触れるべからず!家業を継げ!!
家業を継ぐことは幸せだと感じろ!
と押し付ける家族に全く納得いかない。

最後に家族が「ミゲルが音楽を楽しむこと」を「許した」のも
たまたま先祖への誤解が解けた結果で
それが無ければ今でも家族はミゲルの音楽への想いを受け入れる事はなかろうと思うと、ミゲルの特に祖母と父親と母親の
あの手のひら返しは不気味ですらある。

そこにはミゲルという個人に対する尊重が存在しないじゃないか。
では彼らが尊重している家族とは一体何?

ぼーっと見てたら感動してしまいそうな作りがどうにも怖い。
それを疑いなく受け入れ更に称賛する人が多いことが怖い。

家族愛を強制されても困る人は世の中にはいるだろうに。

多くの人がこの物語に感動するのであれば私がへそ曲がりなのかもしれないが。
私にとっては気持ち悪い。