kotta414

溺れるナイフのkotta414のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.0
とにかく主役二人の画が強すぎて!
あんな田舎にあんなスペックの中高生がいたら、さぞ目立つでしょうな。
クラスにいたら授業そっちのけでずっと凝視しちゃうわ。

菅田将暉くんの神出鬼没な物の怪の類か何かと思わせる妖しい色気とか、小松菜奈ちゃんの死んだ目演技とか。良かったと思う。

この世代の俳優さんの偉いのが、しょうもなさそうな青春ムービーにも嫌がらず出演して、その存在感で魅せてしまうところ。

個人的には、小松菜奈ちゃんの母親役が市川実和子ってところにすごい説得力感じた。
この親からこの娘…うん、生まれるでしょうなぁと。
アナザーヘヴンくらいの頃の市川実和子は、確かに今の小松菜奈ちゃんに近い雰囲気があったと思う。

上白石萌音ちゃんはやはり日本の祭りと親和性が高い。ちはやふるのようなおぼこい田舎女子と思いきや若干高校生デビューしてからの終盤の狂気はなかなか良かったのじゃないかと。
あとは、ジャニーズWESTの重岡大毅も、ヒロインに片思いする、気のいい2番目の男役が本当にハマる。宇宙を駆けるよだかでも似たような役だったけど、フラれてからの”おら東京さいくだ”の替え歌歌うところ、良かった。

しかし、青春映画ってなんであんなに走ったり水入ったりお決まりなんでしょうね。
おばちゃんは見てて息切れして疲れそう、とか、制服でずぶ濡れなったら翌日どうするんだろう?とか野暮な心配をしてしまうよね。
それを気にしないのがきっと青春なんでしょう。

一歩間違えると不気味さすら感じる妖艶な二人が絡むシーンを観てるだけで映画体験としては申し分ないのではないかと。
意外と良いという評判を聞いてたのでこの程度ですが、ただの少女マンガ原作のキラキラデートムービーなんだろうと思って映画館に観に行ったとしたら、きっと打ちのめされたことでしょう。

悪くない。
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