皮肉なハネケが考えそうなタイトルで、一体どんなハッピーエンドを魅せてくれるのか、割と時代に向き合った作品だった。
ハネケは、生と死、若者と老人の対比を好むように思うが、これもそういった類と言ってまず間違いはない。
"愛、アムール"のその後のような、またはそうと言わんばかりの世界は、舞台は変えてはいるが、まだ外からの異物を耐え難く受けとめているようだ。
SNSやメールなどネット社会における他者に対する無関心やレスコミュニケーション的なアプローチで、この家族たちを彼もまた外から見据える。
移民問題の映画ではなく、移民にどう反応するかの人々の反応。
SNS、インターネットがもたらす影響ではなく、それにおける人々の反応。
無関心、不寛容、ハネケだわな。