えいがうるふ

下衆の愛のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

下衆の愛(2015年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

クズ中のクズみたいな人間でも愛せることがあるのに、この主人公には全く惹かれるところがなく、私が心の底から嫌いなタイプの下衆でしかなく、観ていて不快でしかなかった。作品と人格がかけ離れた映画監督なんて珍しくもないが、たとえ下衆でも筋の通った映画愛や才能(商才も含め)があるならまだしも、「映画愛だけが俺の真実」な自分に酔ってるだけで卑屈に燻り続けるやさぐれた野心で偉そうに能書きたれたり傲慢に振る舞う様は鬱陶しく醜悪なだけ。

それこそ映画愛を語らせたらキリがなさそうなベテラン役者陣の芝居はさすがだったけれど、だからこそ、一番下衆な主人公のキャラにあまりにもハマっていた渋川清彦は本人まで苦手になりそう。

「映画っていうクソみたいな女にハマったなら、やってやってやりまくるだけ」
とは、下衆のプロならではの潔い思想だとは思ったが、クソみたいな現実にうんざりして映画に逃げてる自分のような一介の映画ファンにとっては、決して気持ちよくも爽快でもない時間だった。