けーはち

鎧武外伝 仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックルのけーはちのレビュー・感想・評価

3.1
鎧武外伝、本作はロックシードやドライバーの開発者である、戦極凌馬(仮面ライダーデューク)と、チームバロンのNo.2であるザック(仮面ライダーナックル)のスピンオフ。

平成ライダーでは近年サブライダーをフィーチャーした70分程度のVシネを出すようになったが、鎧武の場合は登場ライダー数が多いためか、外伝1つ当たり2人の主人公を35分程度ずつ出す形にしている。サクッと見やすい。

ミステリアスなマッド・サイエンティストぶりが魅力な(ゆえに踏み入ったキャラ掘り下げをしない方が良い)戦極凌馬(+シドや湊耀子らユグドラシル周辺のサブライダー)と、2号ライダー駆紋戒斗のさらに手下、劇中では8番手ぐらいのライダーであるザック(+ミッチやシャルモンのおっさん等、残り物ライダー)の組み合わせが、バロン/斬月よりちぐはぐな余り物の水増し感ハンパないのだが、強引にまとめ上げている。

シリーズ構成の虚淵玄は鎧武の導入を元々ストリート・ギャングの抗争劇にしようとしていたのを子供番組の建前のためダンス・バトルに方向修正を余儀なくされたのだが、Vシネの場合はPTAへの配慮もなくカルト集団の自爆テロや地下闘技場によるイリーガルなギャンブルなどの描写もバシバシ出てくる。ただシリーズ本編の描写に則って「チームバロンはあくまでもダンスチームである」として、ザックはダンスの本場ブロードウェイへ旅立ったり、駆紋戒斗との絆をダンスで確かめ合ったりする。本音でやりたいことだけをやるには建前が前に出すぎているせいもあって、そのとっ散らかり具合がある意味で妙に味わい深さすら感じる(ただし作品の評価とは関係ない)。