けーはち

16ブロックのけーはちのレビュー・感想・評価

16ブロック(2006年製作の映画)
3.4
悪事を隠蔽せんとする汚職刑事の魔の手から証人を16ブロック分護送するアル中で脚の悪い不良刑事の孤軍奮闘。主人公がなぜ仲間の刑事を裏切り必死に証人を守るのかは説明されない。そこはブルース・ウィリスの頑固な善性のイメージに委ねる点というのは少々ズルい気も。序盤、NYPDの官給品のグロックを手放して店にある散弾銃を撃つのは「警察と別の道を貫く」という隠喩か(終盤でも拾ったグロックを再び敵に渡す)。強引な話運びで感情が付いてこない部分もあるが、ヨレヨレの主人公には派手なアクションは出来ないため人脈と知恵を絞り、あえてバスジャックをしたり、様々な人を巻き込んで悪党の裏をかきながら証人を護る展開により、結果として小さな話を壮大に展開するのに成功している。終わり良ければ……という後味も良し。