樽の中のディオゲネス

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命の樽の中のディオゲネスのレビュー・感想・評価

1.0
 スコアは個人の映画の好みによって付けられるものです。あしからず。

 日本での本作の売り文句が「ダーレン・アロノフスキー×ナタリー・ポートマン」なので、観たいと思う人はたくさんいるでしょう。しかし、本作は、オリバー・ストーン監督の「JFK」のように、あくまでも伝記としての「歴史」映画であり、「ブラックスワン」的なものは表現していません。もちろん、ナタポの素晴らしい演技が、ケネディ夫人の危うい心理を見事に表してはいるのですが…。
 「歴史」という概念が、本作のキーワードなのだと思います。何度も、意図的に、その概念がケネディ夫人の口から発せられるからです。けれども、それが何を意味しているのかは、あまり重要視されておりません(もっとも、伝記映画においては、そうやってケネディ夫人が言っていたのだから意味などない、と言われるかもしれないが)。あるいは、ケネディ暗殺事件について詳しく知っている教養人には、それが分かるのかもしれませんが…。
 監督よりも製作者を全面的に押し出す宣伝は、如何なものでしょう。そこまで売り出さない限り回収できない程の金額を制作費にかけたのだろうか。あるいは、JFKについての映画を作るというそれ自体が、それだけの資金を要する行為なのかもしれない。「アカデミー賞最有力」だとさ。