FutosiSaito

さざなみのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

さざなみ(2015年製作の映画)
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 ビスコンティ監督の退廃的な作品、ナチスの台頭を背景にした『地獄に堕ちた勇者ども』や、リリアーナ=カヴァーニ監督の『愛の嵐』(これもナチスのコスチュームでヌードも披露した)を思うと、感慨深い。
 そのシャーロット=ランプリングが出ずっぱりで、ほぼ主役夫婦の会話で成り立つ映画。あいかわらず、美しい立ち姿だ。
 70台夫婦のベッドシーンまであるが、風景を含め、気品のある映像だった。
 しかし、ランプリング自身は、二人の男性と同居してたり、パートナーと10年以上婚約関係を続けていたりで、「スキャンダルの女王」として名を馳せた女優だ。
 感情的な爆発はないが、目の動きや表情で見せるうまさ。
 子供はいないが、45年間ずっと暮らした夫婦に起こる「さざなみ」(原題は45years)による緊張感は最後の最後まで途切れない。
 ラストのランブリングが見せる表情もすばらしい。
 設定も、相手役が『長距離ランナーの孤独』主演だったということも、すばらしい。
 ずっと記憶に残る映画だ。
 
 
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