ぬ

ワンダフル・ワールドのぬのレビュー・感想・評価

ワンダフル・ワールド(2015年製作の映画)
3.3
ポップでキッチュで意味不明な可愛くイカれたフィンランド映画が日本にやってきたぞ。

原題『Lovemilla』。
赤髪の女の子ミッラは、アル中によりゾンビ化してしまった両親と、優しいけれど気が弱く少し頼りない恋人アイモ(&変なペット)と暮らしている。
両親のアルコール依存は酷くなり、夫婦喧嘩ばかりの二人との同居生活に耐え兼ねたミッラとアイモは、家を出て同棲しはじめる。
しかし、アイモに恋のライバルが出現!
男を上げてなんとかミッラを振り向かせようと、パワードスーツを手に入れるアイモ(!!!) 
肉体改造が進むに連れ、人の心をなくしてしまったアイモは…という話。

まずヒロインがなんの説明もなくゾンビ(両親)と同居している。
そしてペットとして猫みたいな変なモンスター飼ってるのめっちゃ気になるけど、そいつについても最初から最後まで一切触れられない。
そもそも彼女振り向かせるためにパワードスーツ装着しようっていう発想は一体なんなんだよ…
で、何の前触れもなく突然はじまるミュージカル。
アイモの親友の青いモヒカンのムチムチゲイが妖精コスプレでミッラとアイモのきったねえ新居に魔法をかける…
フィンランド語のへっぽこミュージカルがこれまた、語呂が悪い。
そしてその新居の打ちっぱなしコンクリの壁にデカデカと日本語が羅列されていると思いよく見てみると、ゴジラシリーズのタイトルがズラズラっと並んでいる!なんで!詳しく聞かせてくれ!
おまけに突然しれっと空飛ぶスーパーヒーローも出てくるし、ノロ怪人(しょぼいバイオテロリスト)やエイリアンも出てくるし…
コメディなのか?SFなのか?ファンタジーなのか?ラブコメなのか?ジャンル分けする必要ねーか!
登場人物全員わりとイカレポンチで発想の斜め上へのブッとび具合がフィンランドらしくてよいと思います。
こりゃあ突っ込んでたらきりがない。
よし、考えるのをやめよう。
しかしながら意外とストーリーの起承転結はあって、なんやかんやで感動してしまったし、ラストも結構予想外な展開で、楽しめた。

フィンランドの某個性派ファッションスナップサイトに出きそうなちょっとヘンテコな登場人物たちのファッションがとても気になる。
ミッラのファッションがとても可愛い。

アイモがボルトで生身に強化外骨格を装着するシーンは、エリジウムでマッド・デイモン演じる主人公が肉体にエクソスケルトンを固定させていたシーンを彷彿とさせて、個人的によかったです。
なんやかんやで一応話は締まりますので、こまけえことは気にしちゃいけない。

私はおもいっきりスープカレーをすすりながら観ましたが、お下劣シーンモリモリですのでお食事時の鑑賞はご配慮ください。

愉快な映画でした。
ぬ