るる

フッド:ザ・ビギニングのるるのネタバレレビュー・内容・結末

フッド:ザ・ビギニング(2018年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で物語りすぎでは!? と戸惑いつつ。

領主の城や城下町、荘園など、圧倒的な美…すごい…でもどうもセットっぽいよな、人が住んでる気配がないというか…フィルム時代?のファンタジー映画の質感ってなんだったんだろうな。

いろんな登場人物のいろんなエピソードが集まってロビンフッド伝説となったのだ、という話を楽しむにしては、ロビンフッド伝説についてそこまで詳しくないんだよな…もろもろ勉強してから再挑戦したい気持ちに。

タロン・エジャトンが女の子といちゃつく姿、キングスマンの別世界線という感じ、やたら現代的に見えた、タロン・エジャトンの風貌がイマっぽいイケメンなのかな。

衣装が現代的というか、どことなくモードだよな。メイクも。だからかな、ふたりのバストアップショットが軒並み現代ラブコメっぽい。

イブ・ヒューソン、『the knick』のナースに似てる、と思ったら、本人だった、ボノの娘なのか、すごいな!? こんな顔だっけ、緑の目が印象的。良い役だな。

スタートダッシュから弓矢隊同士の戦闘、見たことないという意味で面白かったけど、戦術として間違ってないか…? と気になって、いまいち魅力は感じられなかったりして。
現代の中東戦争を連想させすぎるつくりに、やや辟易、白人の領主の息子が兵士時代に黒人の敵兵を助けて…という展開も、ハンパに昔ながらの設定で、うーん。一時期は様式美だったんだろうけど、いま改めて様式美としてスルーするには、まだ早い感じ。

戦争から戻ると、愛した女は別人と、うーん。吹き替えの台詞「彼女はもう俺のものじゃない」古臭えな。

長官役ベン・メンデルゾーン、クソ野郎役がよく似合う。吹替版、関俊彦さんの悪役らしい悪役で良い。

王道なのに、いちいち説明的すぎるつくりに辟易。説明役を振られることでジョンの役柄が無個性なマジカルニグロっぽくなる、難しいな。。戦場で助けた男は恩を感じたわけでなく、友情を育むでもなく、互いに怒りに駆られながら師弟関係に、なんとも強引だな、、

女は邪魔なので排除、どうして、話がまどろっこしくかる、つまらなくなる方向に舵を切るかね…『スパイダーマン・ファーフロムホーム』のスムーズにヒロインを引き込む手際、話の理解の速さ、トレンドは断然あっちだなと感じた、王道をやるなら丁寧にやるか、大胆に省略するかのどちらかなんだろうな。

チャリーン、シャリリーンと鳴るカネの効果音、なんだかなあ…陳腐では。ここらでようやく中世ファンタジーを真面目にやりたいわけではないのだなと納得。しかしゲーム的というわけでもなく、なんとも不思議なつくり…

弓矢片手に単身忍び込む、アクションは面白かったけど、忍び込む理由が弱くてワクワクに欠けて残念、なんだろうな、とことんツボを外すな…

長官の手を握って警告する助祭長、ゲイという暗示なのかしら…? その後、修道士の男に当たり散らす長官、パターナリスティック、ホモソーシャル的宗教の悪いところ詰め合わせって感じ、おそらく意識的にやってる、そこは現代的であった。

享楽的なパーティーの描写、中世風カジノ描写、荒唐無稽さは良かったな、いっそ全編このトーンで世界観を構築して欲しかった。

マリアンの言葉に内心喜ぶフッド、なんだかな、さっさと手を組んだほうが作劇上、絶対面白くなるのにな、というもどかしさが。

愚かな金持ちのふりをしつつ影ではヒーロー、バットマンなんだな、という気付きがありつつ。

元カノの今カレのクソっぷりが徐々に明らかになるのを待つつくり、フッドとマリアンがよりを戻すことはわかりきってるつくり、つまらんなあ…『アントマン』『ヴェノム』がいかにちゃんとしてるか、うまくやってたかを思って、うーん。

恐怖心は神の武器と語る枢機卿、宗教のディシプリンと支配を熟知している者の物言いで大変よかった。

残忍な独裁者って基本的に愚かなんだな、枢機卿に見栄を張るために領民を虐殺することを約束してしまう、びっくりするほど、愚か。なんで納税者を下僕扱いして虐殺してその後の統治が成り立つと思うんだろう、とコロナ騒動下の日本の現在にまで想いを馳せてしまった。

非道を働く今カレを殴り倒した活動家の女が「それでも男なの?」と言い放つ、古臭えなあ! あまりにも迂闊なシナリオ…もったいない。

ヒロインとの再会、感動はない、

しんがりを務めたジョンは敵の手に落ち、目的を見失うフッド、あのなあ…強い女、ヒロインの言葉で目が覚めるちょっと頼りないヒーロー、イマっぽい、イマっぽいけどさあ…

キリスト教vsイスラム教をこんなにはっきりセリフにすると思わなくてちょっとビックリした。

立ち上がる民衆、絵に描いたような革命、なかなか見ない描写で、ちょっと見ものではあった。革命の失敗を見て戦場のトラウマを思い出し、自ら身を差し出す、そんな丁寧にやられても…な。素直に革命指導者としての英雄的行動を見せてほしかった気持ち。

長官、ずっと言葉が下品だよな、妙に下世話な想像力だけがある。そして、王手を指すのはジョン、なるほどなあ。

枢機卿から州長官に任命された男、バットマン、『ダークナイト』の、スカーフェイスのオマージュなのかしらん。しかし、ワクワクしないラストだ…

なんだろうなあ、とにかく面白がるポイントがイマイチわからなかった。設定やビジュアルにポテンシャルを感じただけに語り方が…あまりにも残念だった。もったいねえ。もったいなかった。軽やかさは好きだった。脚本がとにかく…うん…なんでこうなったのかなあ。
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